
『なよ竹のかぐや』
スラリーとした翠色の花瓶に彫られたのは
唐草模様と造化三神(天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神)
優美なフォルム、神秘的な色に惹かれて速断で家に連れてかえりました。
彼女。。。最初からこの子は、私の中で美しい彼女でした。
『この子には唐草紋が似合うはずだ。』
今まで彫ってきた唐草紋ではない、もっと華やかな命を感じさせる唐草紋がいい。
ワクワクしてきました。
そこから、祈りの紋様である唐草紋「織牡丹」ではない新しい唐草紋様をかんがえました。
その着想までは一瞬で決まりましたが、新しくデザインを生み出すのは、実は結構大変で時間がかかります。
それでも、早く彫りたくてワクワクしてかんがえました。
そのデザインを彼女に写して彫っている間も楽しくてワクワクして彫りました。
一気に彫り上がった彼女の姿を、惚れ惚れとあかず眺めました。
これで、しばらくは制作はおやすみ。
眺めて楽しむ、余韻をたのしむ時間がしばらく続きました。
もう、完成している、と感じたからです。
『この完成した花瓶に、どんなアヒルクサ文字が似合うのだろう。』
ずっと眺めては考えを巡らせます。
そして、答えは意外な時にもたらされるのです。
本の出版をお願いした甲斐ご夫妻と楽しく歓談している時に、この花瓶の写真をお見せしたのです。ひとしきり、その優雅さに浸った後、「ここに彫るアヒルクサ文字が決まらないのです。」とお話ししていて清輝さんと目があった瞬間、二人共、同時にイメージが見えたのです。
不思議な体験でした。
「3文字が一つのデザインになっている」
「う、あ、わ」
「造化三神!」
ハッキリとイメージが浮かんだのです。
造化三神は、古事記にきされた宇宙創世始まりの三神、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神、ですが、最近縁あって拝読させていただいた岡本アデル先生の著書から、造化三神は、真、善、美、の意味を持つと知りました。(岡本安出アデル先生とは小笠原孝次先生と戦後の言霊学の二大大家と言われた方で一時期小笠原先生もアデル先生の勉強会に通っていました。)
この三神は宇宙の根元原理である、「真、善、美」を現していると言えるのです。
そして『なよ竹のかぐや』は不思議なご縁で『真・善・美』に最も相応しい場で撮影されることになるのでした。

