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「オンディーヌ」

あれはいつだったか、記憶があいまいなのですが、ある日何気なくつけたTVに、どこかの劇場の舞台が映っていました。一人のバレリーナが今、まさに舞台の袖から中央に躍り出ようとする瞬間でした。

彼女が舞台に足を踏み出すと、何もない板張りの舞台に波紋が起きました。予想外のことに驚いて、身を乗り出して凝視している私の視線の先で、軽やかに踏み出すトゥーシューズの先が舞台に触れるたびに、水の波紋が起きるのです。彼女が舞うと、湖に葉が落ちたときのように、その足先に水の波紋がひろがっていきます。

誰のどんな演目かも、事前に何の知識も無かったのですが、「これはオンディーヌではないか」 と、ふと思いました。オンディーヌは水を司る精霊です。

そう、予想通り「オンディーヌ」でした。

その後、調べて、そのバレリーナが英国ロイヤルバレエ団で22年間プリンシパルを務め、トップであり続けた吉田都さんであることが分かりました。それ以後、都さんのことを調べて、映像も拝見し、すっかりファンになってしまった私ですが、バレエの演目にはとんと興味が持てなくて、あの板張りの舞台に広がった波紋のような振動が頭から離れませんでした。

この時、初めて、本来、肉眼で見えるはずのない振動をハッキリと見させていただきました。

雑念だらけの私にも見えたということは、今よりもずっと、すべてが純粋だった太古の時代に、音の振動を、音の本質を映像としてとらえていた人たちがいたのではないか、彼らは今の私たちと違い、物事の本質を直感で捉えて、音の振動を「形」として表すことができたのではないか、そんな考えが頭をよぎりました。

『太古の、そんな賢者の人たちが、後世の私たちに遺してくださったのが、阿比留草文字なのかもしれない』

阿比留草文字の作品を創らせていただく中でボンヤリと考えていたことが、じわじわと確信になっていきました。

阿比留草文字を治療に使われる方々があらわれてきました。紙に書くことにより、様々な奇跡が起こった例も数多く書籍などでも紹介されてきて、数は少ないながらも、阿比留草文字の効用を伝える方々が顕れてきました。

「阿比留草文字(アヒルクサ)文字五十音」は神様の本質を私たちに伝えてくれている文字であるといえます。

はつか庵 店主

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