02Dec2024 『森のおとたま』 グリーンの丸い花瓶に彫られたのは『ひふみ47文字』とリーフ柄 ” ひふみ よいむなや こともちろらね しきる ゆゐつわぬ そをたはくめか うおえ にさりへて のますあせゑほれけ(ん)” もうこれ上新しい作品は創れない。これからは少しづつ天壇斗を彫りながら余生を送ろう、そんな気分になっていました。 七澤賢治先生が他界され、最後のご依頼の五霊神グラスを作り終えた私には、これ以上の情熱は湧いてこないと感じていました。 そんな私に、代官山の個展の流れから甲斐清輝・悠里江ご夫妻にご縁いただき、「半生を本にしませんか」とご提案いただいたのです。 新しい流れ、そこから私の人生がゆっくりと動き始めました。 フツフツと身の内に湧いてきた意欲は、私を厚木にある硝子工房に向かわせ、心惹かれる二つの器に出会わせていただくのです。 一つはプックリと丸いグリーンの花瓶、 もう一つはスラリと貴婦人の風格の美しいグリーンの花瓶。 同じグリーンでも微妙に色が違うのです。 丸い花瓶のグリーンは樹木を感じさせる深いみどり、 スラリとした花瓶のグリーンはブルーが入った神秘的なみどり。 新しい素材に向き合う、このワクワクをわすれていました。 まずは、プックリと丸い花瓶、この花瓶に相応しいデザインを考える日々が始まりました。 アヒルクサ文字でヒフミ祝詞47文字を彫る・・・ それはすぐに決まりました。 しかし、この丸い花瓶に最適なバランスを決めなくてはなりません。 何度も何度も、原稿を作り、貼り、眺めてやり直すを七回繰り返し、ようやくアヒルクサ文字のデザインが決まりました。 そこから、原稿を貼り、手でカットし、彫りあげました。 さあ、ここから悩みました。 何かデザインを入れたいが、文字の持つ高貴さに相応しいデザイン、文字とのバランス、調和。 この花瓶を見た瞬間に森のイメージがわきました。 「森だわ、この子は。」 そのイメージに合うデザインをいくつも考えます。 ヒフミ祝詞のアヒルクサ文字と調和するデザインを決められたのは、制作に取り掛かって、ゆうに半年は経っていました。 ようやくデザインが決まり、彫り上げた時、その姿の愛らしさに、嬉しくて初花庵のスタッフの皆さんに写メを送りました。 それを見たスタッフが、「初花さん、小人がいるよ〜」と言ってくれました。 「森のおとたま」と名付けられたこの花瓶は、周りの景色をそっくりその身に映してくれます。 そして、小さな口から光が入ると、彫られたアヒルクサ文字が金色に輝き様々な表情を見せてくれる花瓶になりました。 Share RSS 「撮影旅行 箱根」第二弾 『なよ竹のかぐや』