『メビウスの目(宝船の回文)』
透明なガラスの上に青色と緑色のガラスを被せた特殊な形のお皿に
メビウスの輪の形に宝船の回文を彫らせていただいた作品。
〜 なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな 〜 「長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の佳きかな」
第二祝殿が出来上がると、賢治先生から作品のご依頼を受けました。
鏡にメビウスの輪をアヒルクサ文字の宝船の回文で表現する。
なかきよの とおのねふりの みなめさめなみのりふねの おとのよきかな
〜 長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の佳きかな〜
この26文字で、メビウスの輪を表現するという課題をいただきました。
「メビウスの輪」とは、帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に貼り合わせた形状の図形である。メービウスの帯ともいう。(ウィキペディア)
それは表側がいつのまにか裏側になっているという不思議さを示すものです。 同時に表側というものは裏側の正反対ではなく、裏側に連続しているということを示しています。
反転して繋がる形をどう表現するか、1ヶ月以上もんもんと考え続けました。
メビウスの輪の、反転するその姿を二次元で表現することは私のイメージ力を超えることでした。
紙面にデザインを描き、考えましたが、どうしても相応しいデザインが浮かびません。
繰り返し同じ所を行ったり来たり。。。
もう、投げ出したくなり、考えるのをあきらめ、寝転がってぼんやりと天井を眺めていました。
どのくらい時間がたったのか、横になっていた私は跳ね起きました。
ふいに気づいたのです。
『アヒルクサ文字はエネルギーの形、エネルギーの形に表も裏もないのではないか?』
メビウスの輪の反転を、文字の表と裏で表現しなくてはいけない、と思っていましたが、エネルギーに表から見た姿と裏から見た姿の違いなんかない、どこから見ても、「あ」のエネルギーは「あ」だと気づきました。
「そうだよね!反転文字を使う必要なんかない。」
そこから一気にデザインも決まり、彫りあげることができました。
賢治先生は絶賛して下さり、無事にお役目を果たさせていただきました。
その第二祝殿に飾られている『メビウスの目』をお皿に彫ることにしました。
透明のガラスの上に青色と緑色のガラスを被せて、特殊な形のお皿を作っていただきました。
メビウスの目のデザインはありますから、問題は周りのデザインでした。
デザイン決めに数か月。
ようやく古い古い文様から着想をいただきデザインがきまりました。
メビウスの目だけだと強烈だったお皿でしたが、その文様を彫ってみたら、花冠のようで『土偶さん』みたいになりました。
鏡と違い、光の入り方で、次元を超えるような摩訶不思議な姿を見せてくれる作品が生まれました。

